組織の未来をつくるコラム

目標管理制度とマインドセット

顧問先における今年度の目標管理の最終面接をすべて終えました。職務に対する姿勢・態度や職務スキル、年間の企業目標と組織目標から個人としての行動目標を年度初めに立てて、その進捗状況を中間面接で聞いて今回は、年度の反省と来年に向けての抱負を聞きました。ほとんどの企業が、2回、3回と経験していますので、従業員の皆さんも、理想と現実のギャップを捉えて自主的に知識やスキルを習得するようになってきたようです。目標管理制度の導入説明会から最初の目標設定面接、初期の段階では考えられないようなマインドセットになっています。マインドセットとは、コーチングや人材育成の場面で使われる言葉ですが、一般的には経験や思い込みなどをもとに固定された思考や物事の見方のことを言います。育った環境や時代背景に左右されやすく、個人が持つ価値観もそこに反映されます。


目標管理制度(MBO)のように自主的な能力開発の場面では、人は無意識にマインドセットによって物事や行動を選ぶため、マインドセットの状態によってはなかなか物事がうまく進まない人もいます。仕事の成功や業績にも関わってくるため、企業側が適切なマインドセット教育を行う必要があると私は思っています。マインドセットは大きく「成長マインドセット」と「固定マインドセット」の2種類に分けられます。それぞれ与える影響に違いがあり、どちらか一方のマインドセットだけでなく、両方を持っていることがほとんどです。固定マインドセットは能力が決められたとおりであると思い込むことをいいます。努力や挑戦をしても、物事は変わらないという捉え方です。成長マインドセットは、自分次第で成長できると考えることを指します。自分の努力や経験、失敗や挑戦によって学んでいくことができるという捉え方です。



ポジティブな思考にあたる成長型マインドセットは、本人はもちろん周囲にもよい影響を与えます。マインドセットは無意識に形成された思考ですが、本人や企業の成長のためにも意識できるような施策を用意するのが一番だと思います。業務を通して叶えたい目標がない状態では、なかなか前向きになれず、本人の行動へもマイナスな影響を与えます。マインドセット教育の目的を明らかにするため、まずは本人が業務を通して叶えたい目標を決める目標管理の仕組みは有効です。企業や組織の目標から、他人から指示されることではなく自らの目標と行動計画を決め、年間を通じて進捗をKPIで評価・修正していく。最初は「固定マインドセット」で成果に自信がなかった人が、自分の成長を感じるころには前向きに新しいことに怖気ることなくチャレンジしていく場面を多く見聞きしました。


企業にもマインドセットがあり、経営理念や方針、経営戦略やビジョンなど企業に形成されている思考のことを指します。企業がこれまでに経験してきた出来事や、そこから生み出された社風なども含まれます。そこに新たな経営戦略として、従業員が成長マインドを意識しながら自信を持って行動ができるようになるマインドセット教育を取り入れるのはいかがでしょうか。人は一般的に、成功したか失敗したかという結果にこだわってしまいがちですが、目標管理制度は結果に到達するまでのプロセスに注目し、プロセスを振り返ることで、次に向けた課題や修正点を見出し、自身の成長機会につなげる考え方です。失敗という結果に対して落ち込んだり挫折したりすることはあったとしても、そこで気力を失わずに、失敗から学び続ける姿勢が重要で、今後さらに求められるマインドセットです。