組織の未来をつくるコラム

出世したくない若者たち

近年、若者の間で「出世拒否」の傾向が強くなっているといわれています。理由としては、仕事だけが生きがいだ!」という人は少なくなり、「最低限生きられストレスなく過ごしたい」と考える人が多くなり、昇進することで仕事量が増えることを嫌う傾向があるようです。昇進したら会社や後輩のために面倒や精神的負荷がかかる」「ストレスで潰れた先輩を何人も見ている。自分はあんな風になりたくない」と考える人が多く、あえて比較的責任の少ないポジションを選ぶ人も増えているようです。若い人は「給料が低くても楽な方が総合的に幸せだ」と考える人が多く、幸福度のための手段がお金以外にも増えたからと言えるでしょう。給与面で十分なインセンティブがない場合、出世へのモチベーションが上がりづらいと言えるでしょう。


ソニー生命では、社会人1年目・2年目の男女1,000名にアンケート調査を行い4月18日、調査結果を公表しました。ここでも約半数が「出世したいと思わない」と回答しています。ここで注目すべきなのは、社会人1年生と2年生の差異です。社会人1年生で「出世したいと思わない」と回答したのは43.6%(男性:31.2%・女性56.0%)だったものが、2年生では52.8%(男性:42.0%・女性63.6%)と10ポイント以上増加しています。その理由については明確な調査はありませんが、実際に職場に入ってみたところ、管理職の仕事の大変さを目の当たりにし、「あのような働き方は無理」という印象を受けたということもあるのではないでしょうか。前述の内容を裏付ける結果かもしれません。



「完全出社」か「完全テレワーク」か、どちらか一方の働き方を選ぶならどちらを選ぶか聞いたところ、「完全出社」は 51.9%、「完全テレワーク」は48.1%と、両者が拮抗する結果となりました。一緒に働きたいと思う、好きな先輩・上司の特徴を聞いたところ、「教え方がうまい」(44.9%)が最も高くなりました。社会人1年生・2年生には、仕事をわかりやすく教えてくれる上司が人気のようです。次いで高くなったのは、「指示が的確」(43.4%)、「思いやりがある」(43.0%)、「誰にでも分け隔てなく接する」(41.3%)、「褒め方がうまい」(40.5%)でした。出世はしたくないが、出社して思いやりがある上司に丁寧に仕事を教えてもらい、自分のスキルアップを目指したいというのが本音なのでしょう。出世したくない=向上心がないとは言いきれないようです。


全回答者(1,000 名)に、落ち込んでいるとき(仕事上で失敗したときなど)に、先輩社会人に言われたら、やる気に火がつくセリフを聞いたところ、「君がいて助かった、ありがとう」(34.0%)が最も高くなりました。感謝の気持ちを言葉で伝えられると、モチベーションがアップするという人が多いようです。次いで高くなったのは、「本当によく頑張った」(26.6%)、「何でも相談してね」(25.7%)、「一緒に乗り越えよう」(22.8%)、「よくそこまでできたね」(16.3%)だったそうです。他人から怒られることが苦手なZ世代。上司・先輩・後輩で社内の課題についてチームを作り解決のためのミーティング・ファシリテーターを務める機会が増えています。対話を通じて立場の違い・考え方の違いを理解することが大事だと実感しています。出世しなければ出来ない仕事も多くあります。