組織の未来をつくるコラム

チーミングと業務変革

確実な現代、VUCA時代においては、過去の成功事例や固定概念にとらわれると業績を悪化させることがあります。新しい状況に素早く対応できる企業になるためには、イノベーションの創出が有効ですが、新たな価値を生み出すには労力を要します。人手不足と目の前の業績を追う中小企業にとって、人材を育成し業務の見直しなど実践で活用していくには工夫が必要です。以前より顧問先の企業で業務改善の延長線でプロジェクトチームを編成して新しい価値創出のミーティングを行ってきました。「学習する組織」を目指して様々な取り組みをしてきましたが、あるきっかけで「チーミング」を知り、自分が実践しているプロジェクトチームの姿がそれであることを知りました。チーミングとは、絶え間なくチームワークの構築と最適化を模索し実践しつづけることです。予測不能な時代でありチームの形も変化しているため、新たなチームの概念として注目されています。


この概念は、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソン教授によって提唱されました。チーミングでは、学習を促進する環境を作りながら、プロセスの改善と成長を重視します。単に手順に従うだけではなく、継続的な学習と実践を通じてプロセス自体を発展させることが重要。チーミングは、チームのパフォーマンスと創造性を向上させるためのアプローチとして注目されています。チームワークを模索・構築しつづけるチーミングは、メンバーと対話を続け相互理解を大切にする新たなリーダーシップの形が求められます。チーミングでは、リーダー1人が意見を取りまとめてチームを主導するのではなく、チームメンバー全員に意見や主張を求めることから始まります。リーダーは、これまでの常識や前提条件を当たり前と捉えず、チームメンバーと話し合いを重ねることで、チームとしてより良いパフォーマンスを発揮することが求められるのです。
 



 チーミングでは、時代の変化に柔軟なチームであるために、最適なチームワークを絶え間なく模索する必要があり、そのようなチームワークを模索しつづける組織は、「学習する組織」として定義されています。「学習する組織」とは、従業員一人ひとりが個人やチームとして、効果的に変化をつくり続ける組織のことであり、チームのパフォーマンス向上であり、既存のやり方やチームの方針に固執せずに、新たな方法を模索しつづけることが求められます。多様な意見を容認し対話に基づく合意形成に導くリーダーの育成は必須です。「学習する組織」では学ぶべき領域を5つに分類したものを「ディシプリン」といいます。直訳すると規律になりますが、組織が学習する領域としては、「学習して実践されるべき理論や技術」という意味として使われています。うちの会社にはハードルが高いと思われるかもしれませんが、潜在的にその能力を持つ労働者は少数派ですが企業の規模は関係なく必ずいます。


既存の価値観やビジネスモデルが通用しない今の時代において、革新的な技術や仕組みなどによって新しい価値を生み出し、社会に大きな変化をもたらす取り組みを指すイノベーションを目指すのが有効です。いきなりイノベーションとはいかなくても既存の業務やビジネスモデルの大きな変革は必要です。そのために多様な人材が働きやすい職場環境、目標に向かって失敗を改善しながら学習できる企業風土、職務や文化的な違いによる境界をつなぐ人材育成が重要だと日頃感じています。イノベーション創出の実践的プロセスとして「学習する組織」のU理論を活用していますが、チーミングでも「学習する組織」を十分目指せることが分かりました。チーミングは「対話的・生成的・発展的なチームを育む」そんな言葉が似あう業務変革・人材育成の姿です。毎月のミーティングでメンバーの成長を見るたびに「仕事のやりがい」をもらっています。