従業員が辞めない会社の仕組みつくり
東京商工会議所の2024年「人手不足の状況および人材の活躍等に関する調査」では、「人手が不足している」との回答が63%、昨年の同調査から5ポイント低下するも依然きびしい状況が続いています。人手不足の深刻度の調査では、「事業運営に影響があり、今後の事業継続に支障が出るおそれがあるほど深刻」(61.3%)、「事業運営に深刻な影響があり、廃業のおそれがあるほど非常に深刻」(4.2%)となっています。この調査は2024年7月全国338商工会議所が実施・回収2392社の回答を得たものです。人手不足と人材確保の取り組みとしてのトップは、「正社員の採用活動の強化」(68.5%)で続いて「パートタイマーなど有期雇用社員の強化」(34.0%)で、方針として「賃上げの実施・募集賃金の引き上げ」(72.5%)が挙げられています。今年は大手企業の一部が新卒初任給30万円台を打ち出し話題になっています。
今週火曜日に「お知らせ」にも掲載しました東京商工会議所「中小企業における最低賃金の影響に関する調査」では、「最低賃金を下回る従業員がいたために、賃金を引き上げた」中小企業の割合が地方では46.3%に達し都市部(32.4%)より14ポイント高い結果になりました。政府は「リスキリング」を推進することで、多様なキャリアや処遇の選択肢を確保し「円滑な労働移動」を目指しています。企業には企業内の人事制度や「職務賃金の見直し」を押し進める三位一体改革を推進。2020年代(後5年以内)に最低賃金の全国加重平均の¥1500の実現を宣言し、野党も同じ主張をしていますので今年、来年と最低賃金の影響は続くことになります。新卒者の初任給が上がることで、40代50代の中堅・幹部職員の不満が噴出して大量離職につながるケースが多発しているそうです。求人募集でも他の会社との比較での賃金ルールの逸脱は、従業員の影響が大きいのでやってはいけないことです。
近年の転職理由とトップは「給与」で転職先の決定理由も「給与」です。2024年の実績では、40-50代で増加して転職後の平均年収は509.3万円で、転職前より22.0万円増加しています。(リクルートキャリア「転職動向調査」2025年度版」三位一体改革で示されているように、優秀な人材確保のためには「昇格」で年収が上がる仕組み、転職者が自分のキャリアを活かせる職務賃金制度は採用活動としても必要です。地方の中小企業では、仕事の中心にいる中堅職員の存在は大きく給与に関する不満で辞めることがないように若年者とのバランスがとれた人事制度を目指すことが重要です。従業員からの求職者からも選ばれる会社になること。また「働きがい」と「生産性向上」を両立させるためには、「未来人材ビジョン」で示された「経営戦略と人事戦略の紐づけ」の具体的な取り組みが必要です。その上で「人事システム」の見直しも必要です。
顧問先の多くの企業で時代変化に柔軟に対応できる」学習する組織」を目指して、経営課題の解決のためのチームミーティングを月1回行っています。組織は経営理念や社会的使命を理解して最適格な解決を促す人財と自分の「強み」を組織のために活かして協働する従業員の関係性で大きく成長します。あらゆる可能性を現場の意見をどんどん組織のために発言する場が「チームミーティング」です。自分たちで提案して決定した施策は次回まで実施・検証して各自、改善策を次回の「チームミーティング」で話し合う。コンサルは、その場を創るファシリテータで参加していれば自分たちの会社の未来の姿は、彼ら彼女たちが創ってくれます。将来に希望が持てる「辞めない会社」になります。働く人の意識が変われば企業も大きく変わります。意識は行動を、行動は習慣を作り。習慣は人格を作り、人格は運命を作ります。