将来の求職者状況を予測する2026年大卒者意識調査
マイナビの2026年卒大学生就職意識調査が公開されました。この調査は、学生の就職意識や就職活動全体の動向を把握することを目的に、翌年度3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生(調査開始時点)毎年実施されているものです。着目点としては、学生の大手企業志向が微減する一方で、中堅・中小企業志向「やりがいのある仕事であれば中堅・中小企業でもよい」と「中堅・中小企業がよい」の合計は43.0%となり、わずかながら増加しています。マイナビでは、これまで上場企業・大手企業による初任給引き上げが社会的に注目を集めていたが、非上場企業でも初任給引き上げの動きが活発化し、給与等の待遇面の条件が見直されたことが、中小・中堅企業志向の学生が増えた背景の1つと考えられると分析しています。また、中小企業は、任される仕事の範囲が広く、様々な角度から会社に貢献できていると感じられやすいので、やりがいや手応えをもって仕事に取り組むことができるメリットもあります。
企業を選択する場合にどのような企業がよいかを聞いたところ、「安定している会社」が51.9% (前年比2.0pt 増)で7 年連続で最多回答になりました、初めて5 割を超え、「給料の良い会社」も4 年連続で増加し、前年比1.6pt 増の25.2% となっています。前年からの増加幅に関してはこの2項目が特に大きかったようです。マイナビでは「就職観」における「収入さえさればよい」という回答を増加と同様に、物価高に伴う経済面への不安や、初任給引き上げ・賃上げといった動向の影響が考えられるとしています。近年の物価上昇の影響として、「食費」「家賃」「学食・生協の値段」など上昇を感じる学生が増加しているほか、「お金に対する不安」を感じる学生が増加傾向にあることなどから、学生にとっても経済的な負担や不安が増している状況が続いていると考えられ、そうした状況から収入に特に強いこだわりを持つ学生が増加を続けていると推測されるとしています。
学生が行きたくない会社を聞いたところ、「ノルマのきつそうな会社」が前年に続き最多で38.2%(前年比0.7pt 減)でした。2 番目に回答が多い「転勤の多い会社」は31.0% (前年比0.7pt 増)で、今年も3 割を超え、5 年連続での増加となりました。「転勤の多い会社」が増加している背景の1 つとして、近年の学生の共働き志向の高さが考えられるようです。マイナビが行った調査」によれば、結婚後の仕事に関してどのように考えているかという質問に対して「共働きが望ましい」と回答した学生は全体で72.1% 、男子学生で約7 割、女子学生で8 割となっており、男女ともに共働き志向が高い傾向にあるようです。また違う調査では、勤務地・職種ともに自分で適性を判断して、選びたい」という回答が55.6% と半数を超えています。ライフスタイルの変化、特に結婚後の仕事のあり方に関する考え方の変化に伴い、転勤により勤務地が頻繁に変更になることに対して抵抗を感じている学生が多いと考えられます。
新卒学生の意識調査は、将来の転職者動向の先行指標とも言われています。採用難が今後も続いていくことが予想されていますが、そのような中で、企業側は規模の大小を問わず、現在の学生が求める価値観に寄り添った情報発信と、魅力的な働く環境づくりが不可欠になっていきそうです。地方の中小企業の新卒者採用はますます困難になりつつありますが、「やりがいのある仕事」が出来る企業であることをアピールするのも大事です。最近、顧問先の依頼でハローワークの求人募集手続きをする機会が増えています。インターネットから会社をアピールできる情報入力が出来ますので、職務階層別人事制度や法人の理念、社員教育の考え方、実施内容など公開しています。今のところ就職希望者が来ますので環境整備が大事と実感しています。