福島県の「人財活用・シニア活躍・人的資本経営」に向けた地域戦略
パーソル総合研究所では、この度「ニッポンの働く地図2025リポート」を発表しました。日本は人口減少・高齢化が加速し、地方の活性化が喫緊かつ重要な課題となっています。しかし「一面的な地方創生」では地域の個性や特性を反映できないため、労働市場・多様性・働きやすさの3観点から地域の“はたらく”を可視化し、47都道府県を分析したデータベースとして作成されました。本レポートによると、福島県は 「過疎・高齢エリア」 に分類され、労働市場の総合評価では 労働力充足指標46位 と全国最低クラスに位置しています。高齢化率が極めて高く、産業構造も農林水産・建設など一次・二次産業依存が大きく、若年層流出と産業多角化の遅れが課題として浮き彫りとなっています。
地域戦略として、人財活用における多様性の強化と地域外人材との“混ざり合い”の仕組みづくりが重要です。調査では、テクノロジー活用、外国人活躍・女性活躍、柔軟な働き方制度が労働力不足を充足する要素になっています。「多様性を受け入れる地域」人財があつまり、生産性も高まる構造になっています。福島県が抱える閉鎖性・若者流失問題を突破するため、多様性を地域に取り込む「地域オープン人財戦略」を導入する。リポートでは、福島県は「シニア活躍」指標では決して低くなく、「ポテンシャルが高いのに生かし切れていない」状況にあるようです。高齢化が高いため、シニア層の就業・社会参画は労働供給力の維持だけではなく、「地域コミュニティーの維持」そのもの直結する戦略領域でもあります。
リポートは、地域の生産性=テクノロジー活用・イノベーション活用が労働市場の改善に強く結びつくこと示しています。リポートによれば福島県の課題は「産業構造が閉じており、外部との接続が弱い」という点です。そのため企業のHRMを「人的資本経営」×「地域戦略」として再編する必要があります。観光・農業DX・インフラ保全など地域の未来産業=仕事づくりを先に設計して企業の人財ポートフォリオを一致させる。女性・シニア・外国人が活躍する地域は労働力が安定し生産性が高いリポート報告があります。企業では育休復帰率、女性管理職率、多様性スコアなどを人的資本指標としてKPI化し、経営戦略と連動させる取り組みが効果的です。短時間正社員、フレックスタイムなど柔軟な働き方は労働力不足を高めるとリポートで明言しています。
福島県として取り組むべき政策の方向性として、地域DX・テック導入の加速や地域外の「リモートワーク移住」の制度化など人財取り込みの施策などがあると思います。そのような政策が進むと仮定して、企業が取り組む施策は女性・シニア・外国人など多様性を受け入れる組織文化の醸成。介護・育児と両立できる企業の仕組み「多様性の推進×ウェルビーイング両立」。これからは、人財戦略と経営戦略の連動が大事な企業課題になります。経産省「未来人材ビジョン」の中で紹介された「人材版伊藤レポート」では、人的資本経営を行うための3つの「視点」と5つの「共通要素」が整理されています。是非、参考にしてください。


